あなたの周りに、何か問題が起こるとすぐに「あの人のせいだ」「環境が悪かった」と人のせいにする人はいないでしょうか。
そうした態度に日々接していると、大きなストレスを感じ、人間関係に疲れてしまうことも無理はありません。
なぜ彼らは、自分の非を認めず他者を責めてしまうのか。
その行動の背景には、本人も気づいていない隠された心理や、その人の育ちが深く関係している場合があります。
この記事では、人のせいにする人に共通する特徴と心理的背景、育ちや家庭環境、そして彼らが迎える可能性のある末路を詳しく解説します。
あわせて、自分自身を守るための賢い対処法を具体的にお伝えします。
相手を変えることは難しくても、相手の心理や育ちを理解することで、あなたを守るためのヒントを見つけていきましょう。
- 人のせいにする人の特徴と隠された心理がわかる
- 人のせいにする人の育ちや家庭環境が理解できる
- 人のせいにする人が迎える悲しい末路を学べる
- 自分を守るための賢い対処法が身につく
人のせいにする人に共通する特徴と隠された心理
- 自分の非を認めない
- 責任を他人や環境に押し付ける
- 言い訳をして自分を正当化する
- プライドが高く傷つきやすい
自分の非を認めない

人のせいにする人は、自分の言動に間違いがあった可能性を考えるのが苦手です。
そのため、仕事などでミスを指摘されても、素直にそれを認めることができません。
自分は悪くないという前提で行動しており、謝罪をすることに強い抵抗を感じるのが特徴です。
この態度の背景には、失敗を認めることは自分の価値が下がったり、自分の存在が否定されたりすることだといった極端な恐れの心理が隠されています。
厚生労働省のポータルサイト「こころの耳」では、セルフエスティーム(自己肯定感)を「自分自身を価値あるものとして尊重する感覚」と説明しており、そのように自分の基本的な価値を実感することで様々な事柄に前向きに取り組む意欲や満足感につながるとしています。(出典:セルフエスティーム:用語解説|厚生労働省 こころの耳, 最終閲覧日2025-11-09)
一般的にも、自己肯定感が高い状態であれば、失敗を成長の機会として受け止めたり、他者のフィードバックを前向きに捉えたりしやすくなります。
しかし、自己肯定感が低いと自分の非を認める強さを持てません。
そのため、自分は正しいと思い込むことで心の安定を保とうとし、結果として非を認めないという自己防衛的な態度として表れるのです。
なお、自己肯定感が低い原因や改善法については、「自己肯定感が低い大人は手遅れ?4つの理由と高める方法を詳しく解説」の記事で詳しく解説しています。

責任を他人や環境に押し付ける

問題が発生した際、たとえ自分に原因の一部があったとしても、その責任を自分以外の他者や物事に押し付ける行動も顕著な特徴です。
これは「責任転嫁」と呼ばれます。
例えば、「あの人がちゃんと教えてくれなかったから」「システムが悪かったから」「時間がなかったから仕方ない」といった形で、自分以外の要因を失敗の原因として主張します。
この背景には、責任を負うことで自分が罰せられることや非難されること、あるいは能力が低いと評価されることへの強い不安やプレッシャーがあります。
アメリカ心理学会(APA)では、防衛機制を、不安や葛藤から自分自身を守るために無意識に働く心理的なプロセスと定義しています。(出典:Defense mechanism – APA Dictionary of Psychology|American Psychological Association, 最終閲覧日2025-11-09)
責任転嫁は、この防衛機制の一種として、自分の中の不安や落ち度を他人や環境に押し付ける心の働きだと考えられます。
責任という重圧から逃れたいという強い思いが、自分のせいではないと他者や環境を責める言動につながっているのです。
言い訳をして自分を正当化する

自分の行動や結果に対する言い訳や弁明が非常に多いのも特徴です。
客観的な事実よりも、自分がなぜ悪くないのか、なぜそうせざるを得なかったのかを説明することに終始しがちです。
これは、他者からの評価を過度に気にしている心理の表れです。
「能力がない」「努力していない」といったネガティブな評価を受けることを何よりも避けたいという一心で、言い訳をしてでも自分の立場を守ろうと必死になっている状態といえます。
前述したアメリカ心理学会(APA)が定義する防衛機制には、自分の行動をもっともらしい理由をつけて正当化する「合理化」というものもあります。
言い訳が多いのは、この合理化が強く働いている状態とも考えられます。
客観的な事実よりも自分がどう見られるかを優先するため、周囲からは言い訳ばかりで反省がないと見なされ、信頼を失う原因となります。
プライドが高く傷つきやすい

自分が劣っていると認めたくないという気持ちが人一倍強いため、自分の評価や立場を守ることを最優先します。
その結果、他者を責めるという攻撃によって、自分を守ろうとする自己防衛的な態度をとります。
一見するとプライドが高く、自信があるように見えるかもしれません。
しかし、その内面は、実際には非常に傷つきやすく脆い自己イメージを持っていることが多いのです。
前述した「こころの耳」の解説にもあるように、自己肯定感は他者をありのまま受け入れることにも役立ちます。
逆にいえば、自己肯定感が低いと、他者の言動を自分への攻撃や評価の引き下げとして過敏に受け取りやすくなります。
この高いプライドは低い自己肯定感の裏返しであり、これ以上自分が傷つかないよう、他者を責めるという鎧で自分を固めている状態なのです。
| 表面的な言動 | 隠された心理 |
|---|---|
| 他者を強く非難し、自分の正しさを主張する | 自分が劣っていると認めたくなく、これ以上傷つきたくない |
| 「自分は悪くない」と自己防衛的な態度をとる | 自分の評価が下がることを極端に恐れている |
| 自信があるように振る舞う | 実際には非常に脆い自己イメージを持っている |
なお、プライドが高い人の末路や具体的な改善方法については、「プライドが高い人の末路とは?孤立と後悔を減らすための改善方法」の記事で詳しく解説しています。

人のせいにする人の育ちとは?
- 失敗が許されず完璧を求められる家庭環境だった
- 過保護や過干渉で責任を取る経験が少なかった
- 親自身が他責思考だった
- 条件付きの愛情で育てられた
失敗が許されず完璧を求められる家庭環境だった

幼少期に、テストの点数が少し悪いだけで、あるいは些細なミスをしただけで、親から過度に厳しく叱責されたり、完璧であることを常に求められたりする環境で育ったケースです。
このような環境では、子供の中に、失敗は自分をダメな人間だと感じさせ、ひどく罰せられることだという強い恐怖心が刷り込まれます。
世界保健機関(WHO)は、思春期を「心身の発達にとって重要で形成的な時期」と位置づけ、家庭環境や友人関係、暴力(特に厳しい養育やいじめ)などがメンタルヘルスのリスク要因になり得ると説明しています。(出典:Adolescent mental health|World Health Organization, 2025-09)
その結果、自分が罰せられるという恐怖から逃れるために、失敗した時には自分のせいではないと無意識に言い逃れをする癖がつきやすくなります。
親の厳しい叱責から自分を守るために身につけた防衛的な態度が、大人になっても他責的な言動として残ってしまうと考えられます。
過保護や過干渉で責任を取る経験が少なかった

子供が失敗しそうになると親が先回りして助けてしまったり、友達とのトラブルや学校での問題が起きると親がすべて処理してしまったりする、過保護・過干渉な環境も影響する場合があります。
このような育ちの場合、子供自身が自分の行動の結果、責任を取るという重要な経験を積む機会が奪われてしまいます。
失敗から学び、自分で問題を解決するというプロセスを経ないため、物事に対する責任感が育ちにくくなります。
その結果、何かあっても誰かが何とかしてくれる、自分は責任を取らなくてもよいという他責的な思考を持ちやすくなるといえます。
親自身が他責思考だった

子供は親の言動を見て、社会のルールや振る舞い方を学びます。
親自身が日常生活において、他責的な言動を繰り返している環境で育ったケースです。
例えば、親が家庭内で「お父さんのせいだ」「会社が悪いからだ」「こんな環境のせいだ」といった他責的な発言を日常的にしていると、子供はそれが当たり前のこととして吸収します。
これは心理学でいう「モデリング(観察学習)」であり、親の問題解決のパターンをそのまま学習してしまいます。
その結果、自分自身が問題に直面した時も、親と同じように責任を他者に求める思考パターンを無意識に取ってしまうのです。
| 親の他責的な言動 | 子供が学習する思考 |
|---|---|
| 会社のせいで給料が安い | うまくいかないのは環境のせいだ |
| あの人が悪いから失敗した | 問題が起きても自分のせいではない |
| 全部お前のせいだ | 責任は他人に押し付けてよい |
条件付きの愛情で育てられた

「テストで良い点を取った時だけ」「スポーツで勝った時だけ」「良い子にしている時だけ」といったように、親からの愛情が結果や条件次第であった環境も影響する可能性があります。
このような育ちの場合、子供は、ありのままの自分では愛されない、良い結果を出さなければ自分には価値がないと感じるようになりがちです。
その結果、前述した低い自己肯定感が形成されやすくなります。
自分の評価が下がることを極端に恐れるため、失敗やミスを隠したり、他人のせいにしたりすることで自分は悪くない、自分は価値があると必死に自己防衛しようとするのです。
人のせいにする人が迎える悲しい末路
- 信頼が失われて孤立していく
- 成長の機会を逃して同じ失敗を繰り返す
- 重要な仕事を任されずキャリアが停滞する
- 問題が深刻化して心身の負担が大きくなる
信頼が失われて孤立していく

最も大きな代償は、人間関係の破綻です。
周囲の人々は、あの人は責任を取らない、いつも言い訳ばかりで信用できないと認識するようになります。
最初は「またか」と受け流してくれていた同僚や友人も、次第に距離を置くようになります。
責任を押し付けられることに誰もが疲弊してしまうからです。
信頼は人間関係の基盤です。
その信頼が失われれば、友人や同僚、家族、パートナーとの関係は悪化の一途をたどります。
最終的には、誰も助けてくれなくなり、周囲から人が離れていき孤立してしまう可能性が高いといえます。
成長の機会を逃して同じ失敗を繰り返す

失敗は、本来であれば、なぜそうなったのかを振り返り、次はどうすべきかを学ぶための貴重な成長の機会です。
しかし、失敗を他人のせいにする人は、自分自身の行動や判断を客観的に反省し、改善する機会を自ら放棄していることになります。
また、反省がないため、根本的な原因は解決しません。
結果として、同じようなミスを何度も繰り返し、スキルや能力、人間性といった側面が向上せず、その人の成長は止まってしまいます。
年齢を重ねても中身が伴わないため、余計に周囲とのギャップが生まれることにもなります。
重要な仕事を任されずキャリアが停滞する

人のせいにする人が職場にいる場合、その影響は深刻です。
責任転嫁は、チームワークを著しく乱す行為と見なされます。
上司や同僚からは、「あの人に任せると失敗時に面倒だ」「責任感がない」と判断されます。
その結果、重要なプロジェクトや責任ある仕事を任されなくなり、昇進や昇格の機会を逃し続けます。
責任から逃げ続けることで、皮肉にも、より責任のある立場ややりがいのある仕事から遠ざかってしまうのです。
最悪の場合、評価を著しく下げ、職場での居場所そのものを失うことにも繋がります。
問題が深刻化して心身の負担が大きくなる

一時的に責任から逃れられても、根本的な問題は解決していません。
むしろ、対処されないまま放置されることで、問題はどんどん大きくなっていくことがあります。
小さなミスが隠蔽され、やがては自分一人では対処不能なほど深刻な状況に陥るケースも考えられます。
また、常に誰かのせいだと考え続けることは、被害者意識を強め、不満やストレスを抱え続けることにもなります。
責任転嫁という思考の癖は、ストレスや人間関係の悪化を招き、長期的には自分自身の心身の負担を大きくするリスクがあります。
その場しのぎで責任から逃れ続けるほど、問題は解決しないまま積み重なり、結果として一番苦しい思いをするのは本人自身だと言えるでしょう。
人のせいにする人への賢い対処法
- 相手を変えようとしない
- 感情的にならず冷静に事実を確認する
- 物理的かつ心理的に距離を置く
相手を変えようとしない

まず最も重要な心構えは、相手を変えようとしないことです。
こちらが正論をぶつけたり、相手の非を厳しく指摘したりしても、彼らが持つ自分を守りたいという強い防衛機制をさらに強固にさせてしまうだけです。
「いつか分かってくれるはずだ」「自分が正してあげよう」と期待すると、かえってエネルギーを消耗し、こちらが疲弊してしまいます。
この人はそういう人なのだと冷静に割り切り、自分の精神的な負担を減らすことを最優先に考えましょう。
相手の言動に振り回されず、自分の心の平穏を守ることが第一です。
他人を変えようと努力するのをやめて、相手の考えや行動を受け入れる考え方にシフトする。
人のせいにする人の思考パターンは、多くの場合、長年の育ちや自己防衛の癖によって深く根付いています。
それを他人が指摘して変えることは非常に困難です。
相手を変えようと試みることは、さらなる反発や言い訳を引き出すだけで、自分のストレスが増える結果になりがちです。
相手ではなく自分の対処に集中することが、自分を守る唯一の道といえます。
感情的にならず冷静に事実を確認する

相手が「環境のせいだ」と感情的に責任転嫁を始めても、一緒になって感情的になったり、慌てたりしてはいけません。
感情論や責任のなすりつけ合いなど、相手の土俵に乗らないことが重要です。
まずは「そうなんですね」と、相手の主張を冷静に一度受け止めます。
その上で、「いつ、どこで、何が起きたのか」という客観的な事実だけを確認するように努めましょう。
感情論を排し、事実ベースでコミュニケーションをとることで、相手も冷静さを取り戻す場合があります。
また、責任の所在がどこにあるかを客観的な事実から判断する材料を集めることにも繋がります。
「そうなんですね」と相手の主張を一旦受け止める。
「いつ、どこで、何が起きたのか」という客観的な事実だけを確認する。
感情論には同調せず、起きたこととそれに対する相手の解釈を分けて考える。
物理的かつ心理的に距離を置く

最も即効性のある対策は、可能な限り相手と関わらないことです。
職場などで物理的に関わりを避けられない場合は、会話を必要最低限の業務連絡のみにする、プライベートな相談はしないなど、心理的な距離を保つことを意識します。
相手の言動に過度に反応せず、そういう人だと受け流すことも重要です。
それでも状況が改善されない場合、可能であれば、席を離してもらったり、関わるプロジェクトや部署を移動したりするなど、物理的な距離を置くことも検討しましょう。
距離を置くことは、決して悪いことではなく、自分を守るための健全な選択肢のひとつです。
人のせいにする人の育ちと末路まとめ
この記事では、人のせいにする人の特徴と隠された心理、育ちや家庭環境、そして彼らが迎える末路と賢い対処法について解説しました。
人のせいにする人にストレスを感じるのは、責任を押し付けられたり、不誠実な態度に直面したりすることで生じる自然な感情です。しかし、その背景には、本人が無意識に使う防衛機制や、過去の育ちによって形成された低い自己肯定感といった、根深い心理が隠れている可能性があります。
大切なのは、感情的に相手を非難するのではなく、その心理構造を冷静に理解することです。そして何より、相手を変えようとせず、自分自身の心身の健康を第一に守るための対処法を実践することが重要です。
最後に、ここまでのポイントを振り返りましょう。
- 人のせいにする人は、自分の非を認めず、謝罪が苦手な傾向がある
- 失敗を「自分の価値の低下」と捉えて恐れる、低い自己肯定感が心理的背景にある
- 責任転嫁は、罰や非難への不安から逃れようとする防衛機制の一つと考えられる
- 言い訳が多いのは、ネガティブな評価を避けたい心理の表れである
- 高いプライドは、傷つきやすい自己イメージの裏返しである場合が多い
- 人のせいにする人の育ちとして、失敗を許さない厳格な家庭環境が影響していることがある
- 過保護な育ちは、責任を取る経験が不足し、他責思考に繋がりやすくなる
- 親自身が他責的だと、子供がそれを学習(モデリング)しやすくなる
- 条件付きの愛情は、自己肯定感を下げ、自己防衛を強める一因になり得る
- 人のせいにする態度を続けると、周囲の信頼を失い孤立しやすくなる
- 反省の機会を失うため、成長が止まり同じ失敗を繰り返しがちである
- 職場では、責任ある仕事を任されず、キャリアが停滞しやすくなる
- 賢い対処法は、「相手は変えられない」と割り切ることである
- 感情的にならず、事実だけを確認することが大切である
- 最も即効性がある対策は、心理的かつ物理的に距離を置くことである

よくある質問
すぐ人のせいにする職場の同僚や上司への具体的な対処法は?
まずは冷静に「いつ、何が起きたのか」という事実確認に徹し、相手の感情論に巻き込まれないことが重要です。
会話は業務連絡のみにするなど心理的な距離を保ち、可能であれば物理的に関わりを減らす工夫をしましょう。
人のせいにする人に仕返しをしたいと考えてしまいます。
仕返しは新たなトラブルを生むだけで根本的な解決にはなりません。
相手と同じ土俵に立つのではなく、自分を守るための対処法に意識を集中する方が賢明です。
人のせいにする人は、いずれ因果応報の末路をたどるのでしょうか?
断言はできませんが、他責的な態度は周囲の信頼を失い、人間関係の破綻やキャリアの行き詰まりに繋がる可能性が非常に高いです。
結果として、本人の成長が止まり孤立してしまうケースは多いでしょう。
自分も人のせいにしてしまう癖があります。どうすれば直せますか?
まず「自分は悪くない」という自己防衛が働いていると自覚するのが第一歩です。
失敗を「罰」ではなく「成長の機会」と捉え直し、小さなことから自分の責任として受け止める練習を意識してみてください。


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