「真面目に仕事に取り組んでいるのにミスが多い…」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
その原因は、その真面目さが空回りしていることにあるかもしれません。
完璧さを求めすぎたり、責任感から一人で抱え込んだりすることで、かえって視野が狭くなり、ミスを誘発してしまう可能性があります。
この記事では、真面目だけどミスが多いと感じる人の特徴と根本的な原因を解き明かし、すぐに実践できる4つの具体的な改善法を解説します。
自分を否定するのではなく、あなたの真面目さを本当の強みに変えるための一歩を、ここから見つけていきましょう。
- 真面目だけどミスが多い人に共通する特徴がわかる
- 真面目だけどミスが多い原因が理解できる
- ミスが多い状況から抜け出すための改善法が学べる
- 真面目さを強みに変えるヒントが身につく
真面目だけどミスが多い人に共通する特徴
- 完璧主義で細部に固執しすぎている
- 責任感が強く一人で抱え込みがち
- 目の前の作業に集中しすぎている
- ミスへのプレッシャーで常に緊張している
完璧主義で細部に固執しすぎている

真面目な人は、仕事の質に対して高い基準を持つ傾向があります。
それは素晴らしい長所ですが、いきすぎた完璧主義はミスの原因にもなります。
例えば、資料作成において、数値の正確さや論理などの本質的な内容よりも、フォントの統一や行間のズレといった細部に固執しすぎてしまうケースです。
細部を整えることに時間を使いすぎた結果、最も重要な「目的との整合性」や「数値のダブルチェック」といった作業の時間が圧迫されます。
結果として、細部は完璧でも、本質的な部分でミスを犯してしまうのです。
全ての作業に100%の力を注ごうとする真面目さが、かえって労力の配分ミスを引き起こしている状態といえます。
なお、完璧主義になってしまう原因や具体的な改善法については、「できないくせに完璧主義になってしまう5つの原因と改善法を徹底解説」の記事で詳しく解説しています。

責任感が強く一人で抱え込みがち

「自分がやるべきだ」「他人に迷惑をかけられない」という強い責任感も、真面目な人の大きな特徴です。
しかし、その責任感が「他人に頼れない」という形で現れると、問題が生じます。
自分のキャパシティを超える量のタスクを一人で抱え込んでしまうと、一つ一つの作業にかけられる時間も注意も分散します。
結果として、作業精度が全体的に低下し、普段ならしないはずの単純な確認漏れや抜け漏れといったミスが頻発するのです。
過重な業務量や人手不足といった状況が原因であれば、それは本人の努力だけでなく職場全体で解決すべき課題でもあります。
一人で抱え込むことは、責任感が強い証拠であると同時に、ミスを誘発するという高いリスクを抱えることでもあるのです。
目の前の作業に集中しすぎている

指示された作業を指示通りに正しくこなすことは、真面目な人が得意とすることです。
しかし、その作業に集中しすぎるあまり、本来の目的や全体像を見失ってしまうことがあります。
例えば、「このデータを指定のフォーマットにまとめてほしい」という指示に対し、そのフォーマットに一字一句正確に入力することに全神経を集中させたとします。
しかし、もしそのデータの目的が「会議で課題を見つけるため」であった場合、ただ入力するだけでなく、データから読み取れる傾向や異常値についても意識を向ける必要があったかもしれません。
このように、目の前の作業が目的化すると、全体像からズレた成果物ができあがったり、後工程を考慮しない作業によって手戻りが発生したりすることがあります。
ミスへのプレッシャーで常に緊張している

真面目な人ほど、「ミスをしてはいけない」「失敗は許されない」というプレッシャーを人一倍強く感じがちです。
適度な緊張はパフォーマンスを向上させますが、過度な緊張は逆効果です。
「ミスしたらどうしよう」という不安や恐怖が常に頭の中にあると、注意力や判断力が低下する可能性があります。
その結果、かえって視野が狭くなり、注意力が散漫することにつながります。
リラックスしていれば気づけたはずの単純なミスを見落としたり、普段ならしないはずのうっかりミスを誘発したりするのです。
ミスを恐れるあまり、ミスを引き起こしやすい精神状態を自ら作り出してしまっているといえます。
真面目だけどミスが多い原因とは?
- 他者の評価を気にしすぎる
- 人に頼れないという思考の癖
- 優先順位をつけるのが苦手
- 過度な緊張がワーキングメモリを圧迫している
他者の評価を気にしすぎる

ミスが多い原因の一つとして、他者からの評価を過度に気にしているということが考えられます。
根底に「優秀でなければ評価されない」といった自己肯定感の低さがあると、「ミスをしない自分にこそ価値がある」という思い込みにつながりやすくなります。
他者からの「仕事ができる人」「真面目で完璧な人」という評価を維持するために、失敗を極度に恐れるようになるのです。
この心理が、細部にまでこだわりすぎる完璧主義や、失敗への恐怖からくる過度な緊張の根本的な原因となっていると考えられます。
なお、自己肯定感が低い原因や改善法については、「自己肯定感が低い大人は手遅れ?4つの理由と高める方法を詳しく解説」の記事で詳しく解説しています。

人に頼れないという思考の癖

責任感が強いことは長所ですが、それが人に頼れないという思考の癖になっていると問題です。
真面目な人は、「自分の仕事は自分で完結すべきだ」「相手の時間を奪うのは迷惑だ」といった固定観念を持っていることがあります。
この思考の癖が、助けを求めることへの強いブレーキとなります。
結果として、一人でキャパシティを超えたタスクを抱え込み、誰のチェックも入らないまま作業を進めることになります。
これが、客観的な視点があれば防げたはずのミスを見逃す原因となるのです。
優先順位をつけるのが苦手

真面目な人は、どのタスクに対しても手を抜かず、全力で取り組もうとする傾向があります。
すべての仕事が同じくらい重要に見えてしまい、優先順位をつけるのが難しくなりがちです。
本来、仕事には「緊急かつ重要なこと」「重要だが緊急でないこと」「緊急だが重要でないこと」など、性質の異なるタスクが混在しています。
ところが、どれも完璧にこなそうとすると、この区別があいまいになってしまいます。
その結果、緊急だが重要度の低い作業に時間とエネルギーを取られ、本当に重要で時間をかけるべきタスクが後回しになってしまいます。
締切間際に慌てて仕事を進めることになり、確認不足や抜け漏れといった仕事のミスが増えやすくなってしまうのです。
過度な緊張がワーキングメモリを圧迫している

ミスをしてはいけないという過度なプレッシャーが、なぜうっかりミスが多い原因につながるのでしょうか。
それは、脳の仕組みと関係しています。
私たちの脳には、「ワーキングメモリ」という機能が備わっています。
会話や読み書きなどの複雑な作業を行う際に、一時的に情報を記憶し、処理するための能力のことです。
単に記憶するだけでなく、その情報をもとに考えたり、次の行動に移したりするために使われます。
この機能には限りがあり、複雑な作業をするには多くの容量が必要となります。
しかし、ミスしたらどうしようという強い不安や緊張は、この容量の多くを占有してしまいます。
本来タスク処理に使うべきエネルギーが、不安の処理に使われてしまうのです。
英国の国民保健サービス(NHS)の一部を担う公的医療組織が公表している資料でも、ストレスが増え過ぎると集中力や記憶力が低下し、パフォーマンスが下がることが指摘されています。(出典:Stress Management – Occupational Therapy Service|Wrightington, Wigan and Leigh Teaching Hospitals NHS Foundation Trust, 2023-11)
また、厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」が提供するストレスセルフチェックにも、「物事に集中できない」「仕事が手につかない」といった項目が含まれており、ストレス状態の一つとして集中力の低下が扱われていることがわかります。(出典:5分でできる職場のストレスセルフチェック|厚生労働省 こころの耳, 最終閲覧日2025-11-06)
ワーキングメモリの容量が低下した結果、注意力が散漫になり、単純な計算ミスや確認漏れといったうっかりミスが起きやすくなるのです。
ミスが多い状況から抜け出すための改善法
- 完璧ではなく完了を目指す
- タスクを洗い出して優先順位をつける
- こまめな相談と共有を心がける
- 作業の目的を常に確認する
完璧ではなく完了を目指す

すべての仕事で完璧を目指す思考を手放し、「まずは完了させる」という思考に切り替えることが重要です。
これは手を抜いたり質を下げるという意味ではなく、限られた時間とエネルギーの配分を最適化するということです。
まずは仕事の合格ラインを明確にしましょう。
上司や関係者と「この仕事で最低限達成すべきことは何か」を事前にすり合わせます。
その合格ラインをクリアしたら、まずは完了と見なすのです。その上で、残ったエネルギーや時間を使って、質を高めていく加点方式に切り替えます。
前述した英国の国民保健サービス(NHS)の一部を担う公的医療組織が公表している資料でも、「誰でもミスはするものであり、そこから学ぶことが大切」という趣旨の、完璧主義とは異なる自己への態度が紹介されています。
完璧以外は失敗という思考から抜け出すことが、ミスを減らす第一歩です。
| 観点 | 完璧思考 | 完了思考 |
|---|---|---|
| ゴールの認識 | 完璧以外は失敗 | 合格ラインでまず完了 |
| 時間の使い方 | 細部に時間をかけすぎて全体が遅れる | まずは全体を仕上げ、残りの時間で質を上げる |
| 他者の視点 | 途中経過を見せず、完成品で驚かせたい | 途中で相談・共有し、ズレを早期に修正する |
| 評価軸 | 減点方式(ミスがないか) | 加点方式(目的を達成したか) |
タスクを洗い出して優先順位をつける

優先順位をつけるのが苦手なのは、頭の中だけでタスクを管理しようとして、ワーキングメモリを圧迫しているからです。
まずは、頭の中にあるタスクを大小問わず、すべて紙やメモアプリに書き出すことから始めましょう。
タスクを可視化するだけで、客観的に全体像を把握できるようになります。
さらに、洗い出したタスクを、緊急度と重要度の2つの軸で分類します。
この作業を機械的に行うことで、全てが重要という思い込みから抜け出し、取り組むべき順序を明確にすることができます。
優先順位をつけるための具体的な進め方は、次の4ステップです。
頭の中の「やること」を大小問わず全て書き出す。
それぞれのタスクにかかる予測時間を見積もる。
各タスクの目的と合格ラインを明確にする。
目的と合格ラインに基づき、緊急度と重要度で分類する。
前述した厚生労働省「こころの耳」のストレスセルフチェックでも、「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「時間内に仕事が処理しきれない」といった設問が含まれており、タスクの多さや仕事量がストレスの要因の一つとして扱われていることがわかります。
タスクを書き出して整理することは、こうしたストレスを管理するうえでも有効な手段であり、仕事の抜け漏れやミスを防ぐうえでも大きな助けになります。
こまめな相談と共有を心がける

人に頼れないという思考の癖を自覚し、意識的に行動を変えてみましょう。
一人で完璧に仕上げるという思考を改め、こまめに途中経過や悩んでいる点を共有することが大切です。
「この方向性で合っていますか」「2つの案で迷っているのですが」などと早めに相談することで、もし間違った方向に進んでいたとしても、致命的なミスになる前に軌道修正ができます。
他者の視点を入れることは、品質を高め、同時に自分の心理的な負担を減らす最も有効な手段です。
業務の相談をこまめに行うことは、結果的に自分自身の心身を守ることにもつながります。
作業の目的を常に確認する

作業に取り掛かる前に、「これは何のための作業か」を常に確認する習慣をつけましょう。
上司から指示を受けた際に、「このデータはどういった用途で使われますか」「この資料で一番伝えたいことは何ですか」と確認しましょう。
目的が明確になれば、どこに時間をかけるべきか、何を優先すべきかが自ずと見えてきます。
さらに、作業の目的がわかっていれば、必要以上に細部へこだわったり、目的からズレた作業に時間を使ってしまったりすることが減ります。
結果として、ミスや手戻りを根本から防ぎやすくなるのです。
真面目だけどミスが多い原因と改善法まとめ
この記事では、真面目だけどミスが多い人の特徴や心理的な原因、そして具体的な4つの改善法について解説しました。
真面目に取り組んでいるのにミスが多くて落ち込んだり、自信を失ったりするのは、それだけ真剣だからこそ生じる自然な感情です。
しかし、ミスが多い背景には、単純な不注意だけでなく、完璧主義や過度な緊張といった、真面目さゆえの思考の癖が関係している場合もあります。
大切なのは、感情的に自分を責め続けるのではなく、冷静にミスの原因を理解し、真面目さの方向性を変える視点を持つことです。
そして何より、一人で抱え込まず、自分自身を否定しすぎないことが重要です。
最後に、ここまでのポイントを振り返りましょう。
- 真面目だけどミスが多いのは、真面目さの空回りが一因になっていることが多い
- 完璧主義で細部に固執しすぎて、本質的な部分にかける時間を浪費してしまう
- 責任感の強さから一人で抱え込み、キャパオーバーになりやすい
- 目の前の作業に集中しすぎて、仕事の全体像や目的を見失ってしまう
- ミスへのプレッシャーで過度に緊張し、視野が狭くなって注意力が散漫になる
- 他者評価を気にするあまり、自己肯定感が低下している
- 人に頼れないという思考の癖があり、助けを求めることにブレーキがかかる
- 全てのタスクを重要とみなし、優先順位をつけられない
- 不安や緊張が脳のワーキングメモリを圧迫し、うっかりミスや確認漏れを誘発する
- 完璧ではなく、合格ラインまで完了させることを目指す
- タスクをすべて書き出し、緊急度と重要度で分類して優先順位を決める
- 一人で完璧に仕上げるという思考を改め、こまめに途中経過や悩んでいる点を共有する
- 作業に取り掛かる前に、その目的を常に確認する習慣を身につける

よくある質問
真面目だけどミスが多い部下にはどう対処すればよいですか?
ミス自体を強く責めるのではなく、なぜミスが起きたのかを一緒に考える姿勢が重要です。
完璧を求めず、作業の目的と合格ラインを明確にすり合わせ、こまめに進捗を相談できる関係性を作りましょう。
仕事でミスが多いことに落ち込む時、どうしたらいいでしょうか?
ミスをした自分を責めすぎないことが大切です。
自己否定ではなく、「タスクの進め方に改善点があった」と事実として捉えましょう。
うっかりミスが多い原因は何ですか?
真面目な人のうっかりミスは、「脳のメモリ不足」が原因の場合があります。
「ミスしてはいけない」という過度な緊張や、抱えすぎたタスクが脳の機能を占有し、目の前の作業に使えるエネルギーが減ってしまうためです。
ミスが多いと仕事を任せられないと思われてしまいますか?
ミスが続けば信頼が低下する可能性はあります。
しかし重要なのは、ミスを隠さず報告し、改善法を実践する姿勢を見せることです。
こまめな相談と共有を心がけることで、むしろ「責任を持って仕事を進められる人」として再評価されるきっかけにもなります。


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